テロ等準備罪の新設において、
賛成意見も多いですが、反対する声も
あります。
国際的に採用されている内容の
法案に、なぜ反対するのでしょう。
テロ等準備罪が違憲であるとの
声も聞かれます。
今回は、テロ等準備罪についての
問題点などを簡単にわかりやすく
まとめていきたいと思います。
テロ等準備罪に反対・賛成のなぜ?
テロ等準備罪を新設しようとして
いますが、以前から提案がなされていた
共謀罪という法案と似ています。
この共謀罪は、3回提出されていますが
3回とも見送られています。
この頃から反対の声があり、
テロ等準備罪に名称が改められ、
内容も改正されているにも関わらず、
反対の声がやみません。
また、3回見送られていることから
何か簡単に解決できない問題点
があると考えられます。
2月の朝日新聞の電話での調査では
反対が25%、賛成が44%で、
賛成の声が多い、という結果が、
日本テレビの調査では
反対が37.0%、賛成が33.9%で
反対の声が多い、という結果が、
NHKの調査では
反対が14%、賛成が46%で
賛成がかなり多い、という結果が
出ています。
社会民主党などはこの法案に
反対の姿勢をとっています。
違憲立法であるとの発言も
あるようです。
現在の日本は、テロ対策が十分に
なされているとは言いがたい状態です。
取り締まる範囲については、様々な
意見があるでしょうし、保障されている
個人の自由が侵害される恐れもあります
ので、簡単に線引きできるものでは
ないでしょう。
なぜこのような状況でも
反対の姿勢、廃案を望むのか、
テロ等準備罪の問題点、
なぜ違憲立法なのかなどについて
見ていきます。
反対の理由
社民党の又市征治幹事長は
「テロ等準備罪に名を借りた「共謀罪」
は犯罪の実行行為がなくても相談や
計画をするだけで処罰できる、
個人の内心や思想そのものを処罰対象に
しようとする内容だ」
(104ka.net/news/en_73111/
より引用)
と発言しています。
この他にも、対象が「反社会的勢力」や
「テロ組織」に限定されていないことや
人権侵害や、捜査機関による乱用の恐れ
への懸念から反対している方も
多いようです。
また、反対意見には、賛成している人が
「この法案を理解していない」として、
テロ等準備罪を締結させるリスクを
警告しているものもありました。
理解していないとする根拠は、
上記にある各調査で出た結果の違いに
ありました。
日本テレビの調査では、反対が賛成を
少し上回っていましたが、
質問内容が
「政府は、組織的犯罪集団が犯罪を
実行しなくても準備段階で罪に問える
「共謀罪」の趣旨を含んだ、
「テロ等準備罪」を設ける法案を
今の国会に提出する方針です。
犯罪の計画段階で、処罰の対象と
なることに対して、人権侵害や、
捜査機関による乱用の恐れがあるとの
指摘もあります。
あなたは、この法案に賛成ですか、
反対ですか?」
(www.ntv.co.jp/yoron/201702/soku-index.html
より引用)
というものでした。
NHKの調査では、賛成がかなり多い
結果となっていますが、
質問内容は、
「政府が、組織的なテロや犯罪を防ぐ
ため、「共謀罪」の構成要件を厳しく
して「テロ等準備罪」を新設する
組織犯罪処罰法の改正案を今の国会に
提出する方針であることをめぐり、
NHKの世論調査でこうした法整備が
必要だと思うか聞いたところ、
「必要だと思う」が46%、
「必要ではないと思う」が14%
でした」(saigaijyouhou.com/blog-entry-15553.html
より引用)
となっています。
テロ等準備罪への懸念やリスクを
紹介した方の調査では、反対の票が
賛成票を越えています。
また、NHKの新しい調査(4月7~9日)
では、反対21%、賛成24%と
なっています。
2月のものと比べると
反対 14%→21%
賛成 46%→24%
と変化が見られます。
理解度が上がったためとも
捉えられますよね。
問題点を簡単にわかりやすく説明!
上記で反対派の意見として書いたように
テロ等準備罪に賛成の方でも、
理解が不十分なわけではなく、
テロ対策と天秤にかけた末の結論で
ある方もいるはずですし、
リスクや懸念をより理解して、
怯える必要は無く反対する必要も無いと
判断して賛成を選んだ方もいるかと
思います。
しかし、
今回はあえて問題点とされている
内容を確認していきたいと思います。
テロ等準備罪の問題点として
考えられる内容は、反対の理由からも
推察できます。
また、又市征治幹事長の
「日本国憲法が保障する思想・良心の
自由や言論・表現の自由などを侵す
明白な違憲立法だ」
(104ka.net/news/en_73111/
より引用)
との発言もありますから、
この違憲と言われる問題点を
簡単に分かりやすくご紹介していきます
問題点その①
テロ等準備罪で対象とされる
「組織的犯罪集団」という規定、
「合意」と判断される範囲が
明確でなく、実質的に制限が無いこと
この点について、
「市民や労働組合の活動などが日常的に
監視される可能性が高い」
(104ka.net/news/en_73111/
より引用)
と指摘されています。
また、捜査機関が、市民団体や
労働組合を組織的犯罪集団だと認定する
ことで、簡単に社会から排除できて
しまうため、乱用が危惧されています。
問題点その②
室内盗聴、 潜入捜査等の新たな
捜査手法が導入される可能性がある
テロ等準備罪は、準備行為の段階で
処罰の対象となり得ます。
これを処罰するためには、現在では
違法である新しい捜査を必要とし、
その捜査で個人のプライバシーが
侵害される恐れがありそうです。
問題点その③
準備行為の定義があいまいであること
「例えば「ATMで生活費をおろす
行為」が「資金の調達」、「散歩」が
「逃走経路の下見」と見なされ
かねない」
(www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_0412.html
より引用)
とあるように、簡単に線引きできない
ために定義があいまいで、範囲が
無制限であるところが問題点と
されています。
sakura
<参考>
saigaijyouhou.com/blog-entry-15553.html
ntv.co.jp/yoron/201702/soku-index.html
www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_0412.html
soumushou.com/entry/2017/03/30/120000#反対意見
104ka.net/news/en_73111/
asahi.com/articles/ASK2N4QG1K2NUZPS002.html