2015年に自民党総裁選挙で選出された
安倍晋三首相の任期満了に伴い、
2018年中に再び自民党総裁選挙が
行われる。
小泉政権時代以前には、候補者が密室の
談合で決まっていた事を思い出させる
様に、過去には地方票の意味が
無くなる様な、選挙の仕組みによる
大番狂わせもあった。
今回もどの様な「超法規的決定」が
あるかは判らないが、出馬者一覧の
メンバーはそれぞれ「ポスト安倍」を
もくろんでいる事は確かである。
2018年の自民党総裁選挙の候補者一覧と
彼らを取り巻く状況とは!?
今年最大の政治案件となる
2018年の自民党総裁選挙では、
候補者一覧の中の1人がポスト安倍の
座につくのか、それとも安倍政権が
維持されるかが焦点となるだろう。
森友・加計学園他の問題で安倍政権の
支持率は低下しており、2018年の
自民党総裁選挙立候補者の
一覧のメンバーと比べて地方票を
得る事が難しくなっている事も
考えられ、選挙の仕組みから見ても
不利な点は否めない。
日本の総裁を決めるこの選挙は
地方票が大きなウエイトを占めると
言われてはいるが、どの様な仕組みで
いつ行われるのであろうか?
自民党総裁選挙の仕組みとは?
自民党総裁選挙は、「総裁公選規定」に
則って行われるが、これによると
公選の仕組みは、
自民党の関係者による投票によると
明記されているが、その関係者の一覧は
以下の通りである。
1.党所属の国会議員
2.党員
3.党友(自民党を支援する個人)
4.国民政治協会
(自民党の資金管理団体)
※ただし、党員・党友は過去2年間の
党費を納めている事が前提※出馬には20人の推薦が必要
そして自民党総裁選挙が行われる
1ヶ月前までに、党員・党友の投票が
地方票として反映される。
この地方票は各都道府県の支部で
開票され、各都道府県の持ち票に
比例配分される。
「持ち票」は合計で300あり、
そのうちの159票を党員数に基づき
各都道府県に比例配分し、それに
一律3票を加えて決定される。
この地方票と国会議員票との合計で
総裁が決定する。
今回の安倍首相の任期は2018年
9月末に満了するので、従って
自民党総裁選は、その任期満了を
受けて行われる。
前回は安倍首相が無投票で選出された事
もあり、今回は特例で閣内からの出馬が
容認されている事で、
このチャンスを待っていた候補者も
存在する。
2018年自民党総裁選挙出馬濃厚な候補者達!
現在、 2018年自民党総裁選挙に出馬を
すると見られている候補者の
一覧は以下の通りとなっている。
石破茂(元幹事長)
岸田文雄(政調会長)
野田聖子(総務相)
上述の特例で出馬をもくろむ
野田聖子総務相は、2018年4月の時点で
候補者として出馬をする際の推薦人の
確保に向けて奔走をしていたが、公務と
政務に追われて推薦人と会う余裕が
無くなっているというのが現状である。
その一方で地方票の獲得を視野に入れた
段取りを組んでいるのが
岸田文雄政調会長であり、2017年には
安倍首相に志願して現職に移動したと
言われている。
これはいわゆる「党三役」となる事で
全国を回りやすくなり、知名度の向上に
よる地方票の獲得が、
自民党総裁選挙の仕組みの上で大切な
事を理解している戦略と言える。
しかし、上記の候補者の一覧の中で
一番有利と見られているのは
石破茂元幹事長であり、地方票にも
推薦人の人数でも心配の声が上がらない
ほどであり、選挙の仕組みの上では
有利な状況と見られていることから
早くも出馬の意向を明らかにしている。
そして勿論安倍総理も、正式な出馬の
表明をしてはいないが候補にはのぼると
見られている。
ただ安倍首相は自民党総裁選挙への
立候補を宣言しない理由は、
森友・加計学園他の問題を
うやむやにする計算が働いているものと
いう声もある。
地方票がある石破茂が泣いた自民党総裁選挙の仕組み!
安倍首相は、2018年の自民党総裁選挙の
正式に候補者となってはいないが
正式な候補者一覧に名は無くとも
出馬は確実と見られている。
もし2018年の自民党総裁選挙がフェアな
物であれば、今回の候補者一覧の中では
地方票に物を言わせる石破茂が、
選挙の仕組みの上からでも有利とも
考えられる。
だが2012年の自民党総裁選挙では
多くの地方票を獲得して
1位となった石破茂であるが、最後で
その選出の仕組みに泣いた例がある。
最後の最後で安倍晋三が逆転!2012年の自民党総裁選挙!
2012年の自民党総裁選挙では、石破茂は
多くの地方票を獲得して2位以下に
圧倒的な差を付けていた。
しかし、石破茂は思いもよらない形で
足元をすくわれる事になる。
この時の2位は安倍晋三であったが、
決戦投票は国会内部のみで行われたので
ある。
その結果、安倍晋三が石破茂の89票を
上回る108票で当選し、地方票の意義を
問われた。
また国民も地方票に関係無く当選が
決まる国会のからくりに失望したが、
2018年の候補者の一覧に名を連ねる
メンバーや国民を失望させない様な
仕組みの改善がなされた事は
言うまでも無い。
だが小泉政権以前には、国会議員のみで
候補者一覧の中から後継者を決めており
公職選挙法に触れていない事なら
何でもアリの時代があったのだ。
政治資金規正法以前の総裁決定の裏側とは!?
2014年の党大会では、自民党総裁選挙の
仕組みで、地方の党員票の比重を大きく
変えるといった改善もあったが、
小泉政権以前の自民党総裁選挙は
候補者一覧の中から次期総裁を選出する
仕組みは2018年の現在と違い、
しっかりと決められていなかった。
結論から言えば「国民不在」と言って
いい決定がまかり通っていたのである。
候補者一覧の中から総裁を決める際、
フェアな選挙での決定ではなく、
密室での談合や、複数の派閥が
候補者に現金を渡すという「実弾戦」が
横行していたのである。
今は政治資金規正法の改定でその様な
事は無くなったが、国会もまた何が
あるかわからない所なので、その意味で
2018年の自民党総裁選挙も
目が離せないと言えるだろう。
まとめ
安倍首相の任期満了に伴い、2018年の
自民党総裁選挙も、想定される候補者の
一覧が明らかになる等、ネット上でも
盛り上がりを見せている。
しかし改定がなされた筈の選挙で
あっても、その仕組みのスキを狙って
地方票を集めた候補者が逆転される様な
事態が起こらないとも限らない。
国会もまた何があるか判らない所で
あるのだから、国民もその動向に
注意が必要になるだろう。
<参考サイト>
日本経済新聞