「肖像権」とは一体何か?

スマホ内蔵のカメラで撮影すれば、
誰でもSNSに情報発信出来る時代に、
更に身近になった言葉である。

しかし一般人や芸能人を気軽に撮影して
ネット上に載せると「肖像権の侵害だ」
と、訴えられるケースも多くなっている
のが、現実だ。

また「公務員には肖像権の権利が無い」
との説も聞きますが、本当なのか?

今回は肖像権について、
わかりやすく説明してみる。

 

肖像権とは何か?一般人への影響は?芸能人や公務員には適用されるのか?その侵害の恐れなどをわかりやすく説明

 


「肖像権とは…」と、わかりやすく説明
出来るかと言うと、漠然とした印象の為、
上手く説明できない人が多いだろう。

一般人や芸能人を無断で撮影するだけで
プライバシーの侵害だと言われる程度の
認識しかない所だろう。

公務員の場合は職務中の様子だから、
肖像権に値しないとの説も耳にする。

「肖像権」とは一体何か?
一般人や芸能人への侵害の恐れとは?
肖像権と公務員との関係とは?

肖像権を、出来る限りわかりやすく
説明してみる。

「肖像権」とは肖像に帰属される人権の
事を指し、わかりやすく分類すると、
人格権と財産権に分けられる。

人格権とは、わかりやすく言うと
「プライバシー権」。

一般人や芸能人が無断で写真や映像を
撮られ、無断で公表や利用されたりする
事で、精神的苦痛や侵害を受ける事無く、
平穏な毎日を過ごせるに主張出来る、
人格権に即した、肖像権の中に含まれる
権利のひとつである。

財産権とは、わかりやすく言うと
「パブリシティ権」。

芸能人の他、スポーツ選手や著名人の
肖像や氏名が商品等のCMに利用されて
いるのを、メディアで毎日見かける。

これは芸能人を含めた著名人が活動した
成果により人気を獲得し、憧れの対象と
なる事で、顧客を商品等に引きつける
魅力が生まれ、経済的価値が高まる為と
考えられている。

このような著名人の持つ顧客吸引力から
生じる経済的な利益・価値を排他的に
支配する権利が「パブリシティ権」で、
財産権に則した、肖像権の中の、
ひとつの権利なのである。

肖像権の中の「パブリシティ権」に
触れるとは気づかずに、芸能人の方を
無断で撮影し、ネットに載せた為に、
肖像権を侵害されたと、問題になる。

両方共、古くから認められてきた、
肖像権の中の権利だ。

なお「肖像権」と言う言葉は、六法にも
記載されておらず、民法第709条
「不法行為による損害賠償」の条文で、
一般人の方等が、守られている。

民法第709条とは、
『故意又は過失によって他人の権利又は
法律上保護される利益を侵害した者は、
これによって生じた損害を賠償する責任を
負う』と言う条文。

わかりやすく解釈すると、
「人に損害を与えたら、それを賠償する
責任がある」という事だ。

一般人の方はこの法律で、肖像権から
発生する恐れのあるプライバシーの
侵害から、守られている。

では、一般人や芸能人の範疇外である、
公務員の場合は、肖像権の範疇に
入るのだろうか?

公務員とは言え、一個人である。

公人扱いされてしまう、公務員には
肖像権が適用されないのだろうか?

 

肖像権の侵害は公務員に適用されるのか?わかりやすく説明します

 


肖像権を侵害されたと言って、
公務員が一般人と同様に
「人権侵害だ」とわかりやすく主張が
出来るものだろうか?

また、肖像権とは公務員にとって、
どの様な位置づけなのだろうか?

肖像権と公務員について
わかりやすく説明して行く。

結論、肖像権は公務員にも発生する。

但し一般人と違って公務と一体の為、
肖像権が限定されてしまうと言う解釈が
正しい考え方とされる。

警察官に職務質問をされている処を
隠し撮りし、動画サイトに投稿する
一般人がいるが、
この場合、公務員と肖像権の所在は
どうなるのだろうか?

社会的地位と活動内容からすれば、
受任限度内にあると見て良い。

職務質問は公道が多く、私道の場合でも
開かれた処なので撮影場所に問題が無く、
違法な職務質問の証拠保全とすれば
正当な目的があっての撮影の為、
その必要性も感じられる。

隠し撮りだとしても、悪質な撮影とは
言い切れないと考えられる。

公務員には肖像権がないのではなく、
肖像権はあるが、肖像権の侵害が違法に
ならない場合もあると理解するのが、
妥当である。

但し度が過ぎると、
肖像権の侵害にあたる。

職務質問を誘う様な破廉恥な行為等、
自らが悪質な行動で誘発し、対象となる
公務員の不愉快に映る姿を撮影した様な
場合は、違法となる可能性が高い。

肖像権を侵害された公務員から
損害賠償請求をされた場合には、
請求が認められる事になるだろう。

公務員はその活動内容から、
肖像権の縛りが狭められてしまうと
考えるべきなのだ。

しかし、仕事を離れれば一般人であり
そこを忘れてはいけない。

 

まとめ

 


誰でもスマホで簡単に写真撮影が出来、
SNSで簡単に情報を発信出来る時代。

ちょっとした風景だと思って載せた物が
「肖像権侵害だ!」と指摘される危険を
孕んでいる。

ただ、過剰反応に取られている気配も
感じられるのは確かだ。

テレビのロケ番組で、通りすがりの方に
全部ボカシが入った映像を見る、
そんな違和感は感じる。

肖像権は、プライバシーや権利の侵害に
関わる問題。

節度を持った姿勢での情報発信を、
心がけたいものである。

松本人志氏のツイッターだが、

きっと芸能人が珍しいからと言って
起こしたのだろうが、度が過ぎる。

こう言う態度を、慎みたいものである。

Nabesama

<参考サイト>
ウィキペディア
財団法人日本音楽事業者協会
リーガラス
著作権の広場

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