アイスランドのミーヴァトン湖と
日本の阿寒湖のマリモが同じ遺伝子?
繋いでいたのは水鳥?
説明していきます。
アイスランドのミーヴァトン湖に
巨大天然マリモがいる?
アイスランドの北部にある
ミーヴァトン湖は火山湖で、
多くの水鳥達が渡ってきます。
火山活動が活発な地域で、湖水は、
富栄養型で水中に溶けている
栄養塩類が豊富で生物の生産量が大きい
湖です。
周辺には、大小の火山がそびえており、
蒸気爆発で天体衝突などによって
作られた地形が湖岸のあちこちに
点々とあります。
湖の面積は、37km2で、阿寒湖の約
2.8倍です。平均水深が、約2mと浅い
事が特徴です。
世界で最大のマリモの集まる地としても
有名で、ミーヴァトン湖のマリモは
成長すると直径10~13センチに
なります。
マリモの多様な生活の有り様は
ミーヴァトン湖では、浮かび漂う糸状の
マリモが、湖の全域に分かれて
広がっています。
風波によって湖水の流れが
生ずるたびに、糸状マリモが
分かれて広がる域が大きく変わります。
また、沿岸の溶岩帯では、くっついて
生活するマリモが広く見られています。
この塊が溶岩から剥がれて浮かび
球状に成長して大きくなったと
考えられています。
ミーヴァトン湖のマリモ群落では
直径10~13センチの球状体が、
約2千万個あると推測されています。
阿寒湖では、直径10センチ以上の
マリモは約90万個と見積もりされて
います。
ミーヴァトン湖には
阿寒湖の約20倍のマリモが生きている
事になります。
2006年に国の保護対象種に
指定されました。
マリモは、光合成により有機物と酸素を
生じるだけでなく、非常に小さい生物に
生活場所を提供しています。
水生動物、水鳥の餌として湖全体の
生き物を支える役割を受け持っています。
特に、基礎生産力が少なくて不足がちな
ミーヴァトン湖のような高緯度地方の
湖の沼では、多年生のマリモが
一次生産者として生活している中で
とても大切な位置にいると考えられて
います。
栄養素が豊富なミーヴァトン湖の元には
巨大なマリモの他に、ミジンコ、
ユスリカ(節足動物昆虫網ユスリカ科に
属する生き物で、ハエや蚊の仲間です)
の幼虫が生息しています。
これらを餌とする水鳥の繁殖地と
なっていて、13種類が生息していると
言われています。
個体の種類は、ユーラシア、北米、
寒帯と北極の独特の混成と
なっています。
水鳥の多くが渡り鳥であり、大体
4月~5月にかけて北西ヨーロッパから
やってきます。
一番多いのはキンクロハジロで、
二番めに多いのはスズガモです。
マリモは、たくさんの生物にとって
大切な役割を果たしていますね。
マリモは水鳥がアイスランドと
日本を繋いでいた!?
マリモを構成する緑藻は、日本各地の
湖でも知られていますが、実際は
日本だけでなく、地球の北半球全体で
約220箇所知られているといいます。
しかし、生育の環境が整わないと
球体にはなりません。
ですから、球体のマリモが存在
しているのは、アイスランドの
ミーヴァトン湖と阿寒湖だけです。
ミーヴァトン湖のマリモの遺伝子の
分析をしてみたところ、はるか遠い
8500キロも離れている阿寒湖の
マリモと同じ遺伝子でした。
案外、近い時代にミーヴァトン湖から
阿寒湖へ、もしくは阿寒湖から
ミーヴァトン湖にマリモが
運ばれた事は、明らかです。
ところで、マリモを誰が運んだのか?
高い可能性としては、ハクチョウや
カモなどの水鳥でしょう。
マリモを餌にして食べて、もしくは
餌として食べた魚にマリモの断片が
付いていて、水鳥の足に付いたか、
生殖細胞の状態のまま、糞から断片が
出て、最初はシベリアに
渡ったでしょう。
ミーヴァトン湖には、
こういった理由から
伝わったのでしょう。
遺伝子の変異から見ると、
大昔の事ではなく、最終氷期の終わった
1.2万年前以降、最終氷期の
終わる以前の間氷期の辺りかと
意外と最近の事だったと考えられて
います。
まとめ
マリモといえば北海道のお土産という
イメージしかありませんでした。
どちらが先なのかは、分かりませんが、
水鳥によって巨大マリモが
アイスランドのミーヴァトン湖と
日本の阿寒湖との間を
運んで居たなんて、まるで
物語のような歴史ですね。
阿寒湖のマリモは、美しい球状体を
作る為、日本の特別天然記念物に
なっています。
巨大マリモを生で見てみたいですね。