2016年10月3日
東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏が
ノーベル医学生理学賞を受賞した。
本人だけでなく、
日本国民にとっても大変な誉である。
しかし科学や医学の話をされても
我々一般人にはサッパリ理解出来ない。
そこで今回は、話題になっている
オートファジーとは何か?について、
可能な限り分かりやすく
說明出来るように、奮闘してみたい。
癌や、絶食、過食誘導といった言葉も
散見されるので、誰もが関心を持つべき
内容ではないだろうか。
オートファジーとは?超簡単説明
まずは、オートファジーとは何かを
分かりやすく解明してみたい。
ウィキペディアを読んで見ると、
オートファジー (Autophagy) は、細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するための仕組みの一つ。自食(じしょく)とも呼ばれる。酵母からヒトにいたるまでの真核生物に見られる機構であり、細胞内での異常なタンパク質の蓄積を防いだり、過剰にタンパク質合成したときや栄養環境が悪化したときにタンパク質のリサイクルを行ったり、細胞質内に侵入した病原微生物を排除することで生体の恒常性維持に関与している。このほか、個体発生の過程でのプログラム細胞死や、ハンチントン病などの疾患の発生、細胞のがん化抑制にも関与することが知られている。
引用:wikipedia
と、詳しく書かれているが、
やはりサッパリ理解出来ない。
ここから順を追って、
オートファジーとは何か?
について說明するので、
じっくりと読んで頂きたい。
まず、
オートファジーとはギリシャ語であり、
「オート」は、自分自身という意味、
「ファジー」は食べるという意味で
「オートファジー」は自食作用
という意味になる。
人間の身体の約20%はタンパク質で
構成されている。
このタンパク質をアミノ酸に変換して
変換されたアミノ酸が人間の”呼吸”や
食物の”消化”を司っており、
日々、生命を維持している。
この”アミノ酸”は、通常は食事から
摂取しているが、何かの理由で、
食事が食べられない「絶食」状態に
なってしまったら、どうなるだろう?
この原理で考えると、食物の消化を
しなくなり、呼吸も出来なくなり
生命の危機という事になるだろう。
しかし、人間の生命力の強さは、
誰もが聞き及んでいるはずだ。
海や山で遭難しても、
無事生還したというニュースは、
オートファジーの作用によって
作られた奇跡とは言えないか?
絶食状態で栄養が取れなくなると、
自分の身体を構成している
細胞の中にあるタンパク質を
アミノ酸に分解して、
エネルギーに替えて急場をしのいで
くれる仕組みになっているのだ。
つまり、
外から栄養が入ってこないから、
自分の身体に蓄えている栄養から
少し拝借して補っているという事だ。
人間とは、水分さえ補給出来れば、
一週間程は生命を維持できる。
そんなオートファジーの仕組みを
解明した事で、今回のノーベル賞の
受賞に繋がっている。
生命の神秘の一部を解明したという、
とても素晴らしい研究成果といえる。
以上の説明で、
ピンときた方も多いだろうが、
オートファジーはダイエットにおいても
その作用が活躍している。
プチ断食などの絶食や、
デトックス、アンチエイジングにも
効力を発揮しおり、
その仕組に納得できただろう。
癌や過食誘導と絶食による効果
次に、
癌や絶食による効果とは何か?
について説明してみたい。
前述のとおり、オートファジーの作用
によって、人間は生命の危機からも
一時的に逃れる事が出来、更には
その作用を流用して、絶食による
効果で、健康美を保つ事も出来る。
そして、
オートファジーの素晴らしい作用は
これに留まらない。
例えば、人間が生きて行く為に
必要なタンパク質は、1日約200gだが、
食事で摂取出来るタンパク質は、
せいぜい60g前後しか無い。
この不足分も、オートファジーの作用が
体内のタンパク質をリサイクルして
カバーしている。
そして更に、
体外からの細菌や有害物質も
このオートファジーが作用して
除去しているという。
このオートファジーの作用が
停止してしまった場合には、
癌や生活習慣病、感染症などの
重度な病気に掛かるリスクが
大きくアップするそうだ。
今回、大隅良典教授が、
このオートファジーを肉眼により発見
した事で、未来に嬉しい可能性を
感じる事が出来るという。
癌やアルツハイマー病、パーキンソン病
などの細胞に関する病気も
治療も変化して行くと思われる。
癌の細胞に関しては、
オートファジーの作用が裏目に出て
完全に消す事が難しいそうだが、
このオートファジーを医学の力で
制御する事が可能になれば、
癌で命を失くす人も減るであろう。
癌以外の細胞に関する不治の病にも
同様に治療法が見つかる可能性も
出てきた。
おまけに、細胞の老化も制御出来れば、
健康寿命も伸びていくだろう。
今回の大隅良典教授の功績とは、
これほどまでに凄い事なのである。
今後も更なる研究の進行を期待したい。