2005年に起きた福知山線脱線事故から、
13年経ちました。
事故当時には様々な原因が推測され、
運転士の高見隆二郎さんには非難の声が
非常に多く上げられました。
高見隆二郎さんの家族は当時、
どのような心境に立たされていたのか。
また、高見隆二郎さんには当時、
交際していた彼女もいました。
普通に恋をする青年の高見隆二郎さん。
そんな彼が何故、事故を起こしたのか。
13年経った今こそ、福知山線脱線事故を
振り返ってみましょう。
福知山線脱線事故の原因は運転士のせい?
107人の方が亡くなり、562人が負傷、
福知山線脱線事故は多くの人に、
かなりの衝撃を与える出来事でした。
福知山線脱線事故の原因は、
運転士がスピードを出しすぎた事で、
引き起こされたと言われています。
運転士の名は高見隆二郎さん。
原因が彼によるものとわかると、
大惨事を引き起こした者として、
かなりの誹謗中傷を受けました。
高見隆二郎さん自身は、
事故によって亡くなっています。
高見隆二郎さんの家族は当時、
息子の全面的な悪扱いに、
異を唱えたくても出来ない状況でした。
彼女もおり、結婚を前提に、
交際していました。
当時23歳の高見隆二郎さん。
生きていたら家族に結婚後の姿を
見せる事が出来たかも知れません。
そんな高見隆二郎さんは何故、
事故を引き起こしたのでしょうか。
福知山線脱線事故の原因は運転士のスピード超過
福知山線脱線事故は運転士の
高見隆二郎さんがスピードを
出しすぎたのが原因と言われています。
ではその原因のスピード超過は、
何故起こったのでしょうか。
事故前に高見隆二郎さんは、
事故現場付近の塚口駅の前の駅、
伊丹駅付近でオーバーランしています。
そこでバックして位置修正をしました。
このオーバーランの時間ロスを
高見隆二郎さんは取り戻すため、
スピードを超過する事になりました。
そのスピード超過が福知山線脱線事故に
繋がりました。
高見隆二郎さんを焦らせ、
スピード超過を引き起こした原因は、
何だったのでしょうか?
福知山線脱線事故の原因の元はJR西日本の企業体質?
その原因は当時JR西日本において、
運転士に対して行われていたとされる
「日勤教育」にあったとされています。
「日勤教育」はミスをした運転手に、
レポートだけでなく、社訓丸写しなど、
必要の無い文章等も徹底的に書かせる
懲罰的な意味が大きい規則でした。
点呼を受ける運転士の近くで行われ、
書いた内容を音読するため、
自分のミスを他の運転士に聞かせる、
そんな罰を与える目的もありました。
トイレに行くのも上司に許可を取る
必要があり、精神的にも肉体的にも
辛い罰でした。
高見隆二郎さんもこの日勤教育を受け、
彼女にこの規則の辛さを、
吐露していました。
伊丹駅のオーバーランに対しても
日勤教育を避けるために車掌に
超過距離を少なく報告するよう、
お願いをしていました。
JR西日本は半年前に、福知山線の
ダイヤを改正しています。
最高速度を100kmから120kmに、
駅の停車時間を短くしたのです。
本来なら同時にスピード超過を
自動的に抑えるATS-Pという装置も
同時期に設置される予定でした。
しかし、ATS-P設置の工期がずれ込み、
ダイヤの改正だけがなされたのです。
ダイヤの改正による余裕が無い運行。
ミスをすれば日勤教育。
高見隆二郎さんは、これらの原因に
追い詰められ、ミスを取り返すために、
スピード超過をしたのです。
本来ならそれを止める機能であった、
ATS-Pも設置されていなかったのも、
福知山線脱線事故に繋がった原因です。
福知山線脱線事故で高見隆二郎を失った家族や彼女
福知山線脱線事故間もなく、
JR西日本が営んだ殉職者慰霊法要は、
高見隆二郎さんを除外しました。
実際に高見隆二郎さんは、
殉職者として除外される程の
人だったのでしょうか。
家族は高見隆二郎さんが亡くなった事を
悲しみ、彼女は彼の会社での辛い経験を
聞いています。
優しい家族と恋人である彼女に囲まれた
普通の青年に見えます。
生前の高見隆二郎さんは、
どんな人物だったのでしょうか。
高見隆二郎という人物
高見隆二郎さんは、家族による話では
元から運転士が夢で新幹線の運転士が
夢だったようです
学生時代は真面目で、部活では練習を
一度も休まない生徒で、結婚を前提に
付き合っていた彼女とは、この時に
アルバイト先で出会いました。
経済的な事情で大学にはいけなくても、
努力してJRに入社するがんばり屋でも
あったようです。
こうしてみると普通の青春を送ってきた
青年に見えますね。
高見隆二郎さんのその後高見隆二郎さん
事故後は、高見隆二郎さんの家族には、
発言権が無いような状態でした。
事故後の情報も少なかった事もあり、
運転士が全面的に悪いという空気が
あったのです。
高見隆二郎さんの家族が申請していた
労災認定が通ったのは、事件から
5年後の2010年でした。
5年経って高見隆二郎さんはようやく
自身の過失ではなく、会社側の過失と
認められたのです。
しかし、福知山線脱線事故がそもそも
起きなければ、彼女と結婚して、
孫の顔を見せられたかも知れません。
高見隆二郎さんに全く非がないと
断言は出来ませんが、JR西日本側の
無理なダイヤや運転士を追い詰める
日勤教育が無く、ATS-Pを計画通り
設置していれば、福知山線脱線事故
は防げたかも知れません。
数多くの人に悲しみをもたらした
福知山線脱線事故ですが、それは、
運転士である高見隆二郎さんや
その家族、そして彼女もそうだった
と言えます。
まとめ
福知山線脱線事故は、色々な原因が
積み重なって引き起こされました。
運転士の焦り、JR西日本側の様々な
問題。
些細な原因が大事故に繋がる。
この事を鉄道会社には今後も念頭
置いて貰いたいですね。
そうすれば多くの人が悲しむ事も無く、
運転士が重い罪を背負う必要は無くなる
のですから。
kurobe
<参考サイト>
NIKKEI STYLE
産経WEST
日本経済新聞