阿久悠を語る!昭和のすごい作詞家が山口百恵に作詞しなかったのは何故???

スターへの階段を上るべく、
「スター誕生」に出演した
山口百恵は、作詞家阿久悠氏に
青春スターの妹役ならいいけれども歌は
諦めた方がいい、という、
山口百恵にとって自信が音を立てて
崩れるようなショックを味わった。

それでも彼女は合格、そして
芸能界にデビューし数々の名曲を
歌って70年代を代表する歌手となる。

彼女の活躍に衝撃を受けた阿久悠氏は
彼女のすごいスケールを語る上で、
聞き逃がせないコメントを残している。

 

 

作詞家阿久悠氏が山口百恵を語る

 


後に「中三トリオ」で一緒になる、
森昌子の様に自分も歌手になりたいと
思って
「スター誕生」のオーディションで
牧場ユミの「回転木馬」を歌った
山口百恵は、作詞家阿久悠から
「青春ドラマの妹やくなら良いけれど
歌手は諦めた方がよい」との
批評を受けた。

このコメントは今すぐ青春ドラマの
現場でも存在感を示せるという
阿久悠氏一流の賛辞だったが、
彼女の自尊心は傷つけられていた
様だった。

後に彼女は著書「蒼い時」でリアルに
この時の心情を語る事になる。

「スター誕生の」オーディションに
山口百恵は合格して決勝にコマを
進めて準優勝を遂げたが、
この時の阿久悠氏の言葉が彼女の
心の中の棘になって刺さっていた
事を語るエピソードがある。

阿久悠氏と山口百恵が全盛期と言われた
1976年から1978年の話であるが、
阿久悠氏は
「北の宿から」「勝手にしやがれ」
「UFO」のの作詞を手掛け、
山口百恵は「横須賀ストーリー」
「イミテーション・ゴールド」「秋桜」
で、日本レコード大賞の受賞を巡って
一騎討ちをしていた。

この三年間のいつかは阿久悠氏自身
失念してしまっていたが、
その年の大晦日の
日本レコード大賞の授賞式で
この時も阿久悠氏が受賞した。

だが彼が壇上に上がり
握手をしていると、席にいた山口百恵が
席を立って去っていく際、
その通路の所だけ空気が凍てついている
気配を感じたと言う。

いかに山口百恵が阿久悠氏に対して
忸怩たる思いを抱いていたかという
事を語るエピソードではないだろうか。

10代半ばの少女に権限のある年長者が
彼女の歩むべき道を述べ、
その年長者が自分の滔々と
自分の所見を語る事で
抑圧だと誤解を受ける例は
近年にもある。

関西テレビで2016年7月15日に
放送された「快傑えみちゃんねる」で、
上沼恵美子氏が
タレントの岡田圭佑の娘である
岡田結実さんに対して、
上沼氏がスタッフの総意であると
前置きした上で、結実さんを見て
芸能界には向かないという
自分の視点を語るだけに留まらず、
その容貌が歪む危険があるとして
芸能界を辞める様コメントした。

この場面を見て上沼氏の親目線の視点に
賛同する意見もあったが、本番で引退を
通告するとは何事か、という意見が
多かった。

しかしこの番組はこの時点で900回近く
放送されたが、結実さんの様なゲストは
200人位出演した事があるが、成功者は
一人もいなかった事を危惧して、
自分の意見を語るべきと考えた
親心とも取れる。

 

 

作詞家阿久悠のすごい所と山口百恵に対して思った事

 


作詞家阿久悠が山口百恵のすごい部分を
目の当たりにすることになったのは、
彼女の4枚目のシングル
「ひと夏の経験」だった。

10代半ばの少女が男性経験を感じさせる
様な際どい歌詞を無表情に歌うという
ギャップで、独特の人気を
獲得したのである。

阿久悠氏はここまで「ひと夏の経験」を
歌いこなした山口百恵の才能に
すごい畏れを感じ、
上記の様なヒット曲を歌い分ける
彼女の実力と凛とした雰囲気に
気圧されて、スタジオで声をかける事が
出来なかった。

「スター誕生」の頃から比べて
劇的に変貌を遂げたこのすごい歌手に
対して、「口をポカンと開けて」
見ている事にしたという。

しかしこの事は作詞家阿久悠の
すごい部分を否定する事にはならない。

彼の歌詞はドラマチックで
すごい臨場感に溢れている。

例えばピンクレディーの
「サウスポー」は、
当時西武ライオンズに所属して
助っ人外人を撫で切りにした正真正銘の
サウスポー、永射保氏の姿からヒントを
得て作詞した物だという。

因みに振り付けには永射氏の
ビッチングフォームが
取り入れられている。

「背番号1のすごい奴」にサウスポーが
魔球でキリキリ舞いさせるストーリーで
溜飲が下がる内容は、作詞家阿久悠の
構成力の賜物だ。

だからこそ、皮肉な事に阿久悠氏は
作詞家として山口百恵に
畏れを抱いたのだろう。

阿久悠氏の作詞家としての
すごいスケールと山口百恵の才能が
化学変化を起こしたら歌謡史に残る
名作が生まれたかもという悔恨の声は
決して少なくない。

まとめ

 


阿久悠氏が山口百恵を語る時、
彼女のすごいところはのすごい所は、
変幻自在である事だと言った。

「秋桜」「しなやかに歌って」
「ロックンロール・ウィドウ」という
レパートリーにもそれは伺える。

それ故に、物語性が豊かな阿久悠氏の
歌詞の歌を歌ったらどんなヒット曲が
生まれていたか、ワクワクさせられる程
スケールの大きな歌手であった。

そして現在でも、阿久悠氏が山口百恵の
歌を作詞していれば、と無念の思いを
語る人は多い。

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