ロフテッド軌道とは?北朝鮮ミサイル高度と落下速度に意味アリ!?

2017年11月29日早朝に北朝鮮から
発射されたミサイルは、高い高度で
大きく弧を描く「ロフテッド軌道」を
描いて青森県西の海上に落下した。

今回もまた被害はなかったものの、
防衛省は大陸間弾道弾の存在に警戒を
強めている。

今回発射された北朝鮮のミサイルが
目標に到達する際の落下速度の意味とは
実に驚くべき内容である事が明らかに
なった。

 

高度を取った「ロフテッド軌道」による北朝鮮ミサイルの脅威!

 


2017年11月29日の午前3時18分頃、
北朝鮮の西岸から日本海に向けて
弾道ミサイルが発射された。

発射されたミサイルは、青森県西の
250kmの海上の、日本の排他的経済水域
内に落下したが、船舶と航空機への
被害は無かった。

しかしこれまでのコースとは
射程距離が短いと言って
安心は出来ない。

平面的に北朝鮮からミサイルが飛んだ
コースをなぞればおよそ1000kmという
距離であるが、「ロフテッド軌道」の
コースでミサイルを打ち上げた事が
今回の北朝鮮ミサイルの脅威の
ポイントなのである。

ロフテッド軌道とは、高度を高く取って
大きく弧を描くような軌道の事で、
今回の発射では高度は4000kmを
遥かに超えたと見られており、
防衛省ではこのミサイルの射程距離が
少なくとも5500㎞を超えている
「大陸間弾道弾(ICBM)と見ている。

北朝鮮がこの様に高度を取った
ロフテッド軌道を描いてのミサイル発射
で日本の排他的経済水域内への落下は
2017年に入ってからは
実は7回目となる。

前回、つまり今年6回目の北朝鮮からの
ロフテッド軌道でのミサイル発射では
高度3500kmの弧を描く軌道での
発射だった。

今回でのロフテッド軌道の発射では高度
は500km、飛行時間は約8分も長くなって
おり、北朝鮮のミサイルはより
バージョンアップした事を
ロフテッド軌道で示した事になる。

より高い高度のロフテッド軌道を描く
ミサイルの存在を認識した防衛省は、
より詳しい分析を進めている。

 

ロフテッド軌道の落下速度はどの様に弾きだすのか?その際の落下速度の意味とは?

 


ミサイルをロフテッド軌道で
撃つ意味とは、高い高度から加速度を
付けてミサイルを落下させる事であり、
その落下速度が速ければ速い程
迎撃は困難になる。

例えば、テニスボール等を高く放り投げ
ると飛距離は稼げないが、その代わり
落下速度は稼げる。

しかしロフテッド軌道で放たれた
ミサイルの場合はボールとは異なり、
一度大気圏を脱出してまた突入する為に
空気の摩擦は不可避であり、落下速度の
物理的な計算の他に、その摩擦による
ロスを加味する必要がある。

2016年6月22日に発射された中距離弾道
ミサイル「ムスダン」がロフテッド軌道
で撃たれた際の高度は1400km程度と
考えられた。

韓国軍によると、その際のムスダンが
大気圏に再突入した際の落下速度は
マッハ15~17と分析したが、その加速度
とは別に空気の摩擦が起こる為に
マッハ10程度になったとの事である。

しかしロフテッド軌道で打ち上げられた
にも関わらず生まれた
このスピードのロスとは、
迎撃が楽になるという意味では無い。

何故ならば、自衛隊には「PAC3」という
地対空ミサイルがあるが、このミサイル
が迎撃可能なミサイルの落下速度は
マッハ7程度だからである。

つまり北朝鮮がロフテッド軌道で日本に
向けてミサイルが放たれて命中すると
判ったが最後、落下速度が速過ぎて
手の打ちようが無いという意味である。

今回のミサイルは高度も飛距離も段違い
なので、このロフテッド軌道での
打ち上げとは日本とアメリカに向けた
脅しの意味があるのだろう。

北朝鮮に対する締め付けが厳しくなる
事態とは反比例してより強力な武器の
威力を誇示する意味は、トランプ大統領
の口撃に対する意趣返しと見て
間違いない。

しかしそれは国際社会における地位の
落下速度を速める意味しか無いだろう。

 

まとめ

 


北朝鮮は、バージョンアップした
ミサイルを以て、より高い高度から
より速い落下速度でその威力を見せ付け
日本とアメリカを震え上がらせようと
している。

しかもその行動は国際社会での締め付け
がよりきつくなると共に
反比例している。

今回のロフテッド軌道での発射の意味
とは、アメリカや日本への史上最大の
ブラフ(脅し)だろう。

参考サイト
//www3.nhk.or.jp/news/html/20171129/k10011239101000.html
//freedom-indonesia.click/rofutedkidou-geigeki/

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