宣戦布告とは国際法で?北朝鮮がトランプ大統領発言を受け挑発!!

北朝鮮東方で米軍のB1爆撃機が飛行
した事と、トランプ大統領の「北朝鮮は
もう長く持たない」との発言に対し、
北朝鮮の李容浩外相は明確な宣戦布告と
発言した。

国際法では軍事行動もあり得るという
内容の最後通牒をした上で戦争を
始めるというルールになっているが、
正式な宣戦布告がされないまま戦争に
なった事例は、20世紀の国際的ルール
制定後も続いている。

この北朝鮮の過剰反応は、大国を目指す
筈の国の姿勢とは程遠い。

 

国際法における宣戦布告とは?

 


2017年9月25日午前、
北朝鮮の李容浩外相は、同23日に米軍の
B1爆撃機が北朝鮮東方沖を飛行した事と
トランプ大統領の「北朝鮮はもう長くは
持たない」という内容の発言を受けて
「明白な宣戦布告」と発言した。

現代において、国際法に則った宣戦布告
とは、軍事行動を取る可能性を仄めかす
内容の最後通牒をする際、最悪の場合
とは戦争になる事を対戦国に明示する
事である。

しかしそのプロセスとは関係なく戦争が
開始されたケースは歴史上近代にも
多々あり、1903年に日露戦争が宣戦布告
無しに始められた事を受けて
国際法として定めるべく
1907年の万国平和会議で討議されて
ルールが成文化されたにも関わらず、
第二次大戦時のナチス・ドイツは殆どの
戦線で宣戦布告無しに開戦した。

宣戦布告無しに開戦した最初の勢いとは
うらはらにナチス・ドイツが敗戦した
第二次世界大戦後に国際連合が発足した
際の憲章にも宣戦布告無しの戦争を根絶
する内容を定め、国際法として確立する
方向の動きはたゆみなく続けられた。

それでもその動きとは別に、
宣戦布告があったと責任転嫁した上で
紛争が起こる事実を見ると、もはや
宣戦布告に関する国際法とは有名無実化
した法ではないかとも思われる。

もっとも世界の多くの国は戦争を含む
外交にも国際法に則った方法で行おうと
している。

現在の北朝鮮は大国を目指して邁進して
いるつもりでも、多くの国とは別に
国際法が通じない国家という事が、
昨今のアメリカとの核を巡った応酬を
見聞きして感じられる。

 

トランプ大統領の発言と軍事行動を北朝鮮は宣戦布告と解釈した!しかしアメリカ側の反応は…

 


上述の北朝鮮の李容浩外相が、
アメリカの軍事行動とトランプ大統領の
発言を宣戦布告と受け止めたが、
アメリカのサンダース米大統領報道官は
宣戦布告をしたつもり等毛頭無い事を
強調している。

李氏が米軍機が北朝鮮の領空侵犯を
しなくとも撃墜する事を仄めかしたが、
これについても同報道官は不適切との
発言をした。

この北朝鮮側の宣戦布告に関する言動は
1998年のエチオピアとエリトリアの
国境紛争でエリトリア側がエチオピアの
非難を宣戦布告と発言してエチオピアに
侵攻した際の責任転嫁に通じる
物がある。

もっともこの時のエリトリア側の発言は
国際的に認められなかった。

だが最近のトランプ大統領に対する
北朝鮮の「ロケットマン」金正恩委員長
の「グアムにミサイルを発射する」等の
発言は、トランプ大統領で無くとも
困惑、恐怖、敵愾心を持つ事は
不思議では無い。

また北朝鮮は2003年にアメリカが
提唱した大量破壊兵器拡散防止構想に
韓国が全面参加した事を自国に対する
宣戦布告と見做すと発言し、韓国側を
困惑させる「瀬戸際外交」を
繰り返している。

この瀬戸際外交もトランプ大統領の
糾弾に対する報復とも考えられ、
北朝鮮側は憤慨の感情を隠していない。

しかしトランプ大統領の発言や領空の
侵犯に至らない米軍機の哨戒行動に
宣戦布告と言う北朝鮮の過剰反応を
見ると、却って何かやましい事が
あるとも受け取れる。

つまり結局トランプ大統領の
コメントの揶揄や米軍の哨戒飛行程度に
過剰反応して宣戦布告と受け取る事自体
大国の振舞いではないのだ。

 

まとめ

 


米軍の軍事行動とトランプ大統領の発言
を受けて北朝鮮側が示した反応とは、
国際法の上での感覚で見れば
虚勢が目立ち、もはや大国を目指す
国家の態度とは程遠い。

北朝鮮のこの宣戦布告発言は、単に
「痛くも無い腹を探られた」事で
ムッと来ただけにも聞こえる。

この事は怒りを表明する事で威厳を示す
つもりが滑稽な事になってしまった好例
だろう。

参考サイト
//www.yomiuri.co.jp/world/20170926-OYT1T50000.html
//ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%A3%E6%88%A6%E5%B8%83%E5%91%8A
//www.sankei.com/world/news/170926/wor1709260007-n1.html

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