1982年にサザンオールスターズの一員と
して出演し、紅白歌合戦における
「事件」で紅白から距離を置いて来た
桑田佳祐が2014年に続き2017年にも
出場が決定した。
しかも安室奈美恵と同じVIP枠での出場
という厚待遇である。
今回、連続テレビ小説の主題歌での
紅白復帰に至った理由は、彼自身の
心境の変化があったからという訳では
無い。
桑田佳祐が起こした1982年の紅白歌合戦の事件とその後!海外でも似たようなケースが!
桑田佳祐が起こした紅白歌合戦の事件は
1982年に起こった。
この年のサザンオールスターズの
ヒット曲「チャコの海岸物語」を歌う時
紅白の白組司会山川静夫アナが紹介した
時の桑田佳祐は、確かに山川アナの
アナウンスの三波春夫のイメージ通りの
扮装ではあったが、顔は白塗りだった。
そして桑田佳祐は自分のヒット曲を
演歌調に歌い、間奏の所で「とにかく、
受信料は払いましょう！」「裏番組は
ビデオで観ましょう！」と放言した。
これはサザンオールスターズのファンの
間では快挙とも言われているが、
紅白歌合戦を放映するNHKにとっては
驚きの大事件だった。
案の定NHKには「ふざけすぎ」との
講義が押し寄せ、NHKは桑田佳祐に対し
紅白の事件の詫び状を要求したが、
桑田佳祐は「そのような事をしなければ
ならないなら二度と出ない」と怒りの
感情を隠さなかった。
次の1983年の紅白歌合戦にも桑田佳祐は
サザンオールスターズの一員として出場
したが、この出場から紅白とは
2010年までの間、距離を置く事となる。
この事件の背景には、フォークやロック
といったジャンルの音楽関係者の間には
紅白歌合戦に反発する空気があり、出場
して普通に歌ったらその番組に迎合した
と言われかねない空気があったのだ。
国民的な音楽の長寿番組でフォークや
ロックの出演者と番組制作側との事件は
海外でもあり、
「この番組を見逃せば日常の中での
会話に支障をきたす」と言われた
「エド・サリヴァン・ショー」でも
その例は色々ある。
有名な所ではエルヴィス・プレスリーが
腰を振るアクションをテレビに映されず
上半身のみを映すという番組制作側の
方向を示した所、エルヴィスの顰蹙を
買った。
ローリングストーンズは彼らのヒット曲
の「夜をぶっとばせ」を歌うという出演
依頼の際の注文に、「性行為をイメージ
させるかも知れない歌詞」の変更をして
歌うようにとの条項があった事が原因と
なりメンバー内で揉めた。
そして極めつけはドアーズが彼ら自身の
ヒット曲「ハートに火を付けて」を歌う
際にも、ストーンズと同様に
「違法なくすりを連想させる可能性の
ある歌詞」を変更する様にとの通告が
あったが、ドアーズはそれを無視して
原曲の歌詞通りに歌い、それ以降二度と
番組への出演依頼は無かった。
この番組の制作姿勢により、
視聴者が見たいと思うバンドや
アーティストが出演機会に恵まれなく
なった事が相次いだ。
エド・サリヴァン・ショーの例を見ても
フォークやロック関係者にとってこの種
の番組は、メジャーになる為の登竜門で
ありながら番組や視聴者に媚びていない
かという姿勢を見られる舞台でもあり、
上記の事件を見ても
彼らなりのジレンマがあるのだろう。
桑田佳祐の紅白の事件の際にも、彼自身
この様な葛藤はあったに違いない。
桑田佳祐の紅白歌合戦復帰出場はライブ会場から! 2017年の曲目は?
紅白の「事件」から35年後の
2017年の紅白歌合戦に、桑田佳祐は
2014年にサザンオールスターズの一員と
しての出場以来、3年ぶりに復帰する。
NHK側が2017年紅白歌合戦の復帰出場に
向けて交渉を続けている間は難航して
いるとの噂もあったが、交渉が成功した
のは桑田自身続テレビ小説「ひよっこ」
の大ファンであったという事が決め手と
なった。
そして桑田佳祐の紅白出場の一つの
ネックとなっていた、
サザンオールスターズの年越しライブの
会場から桑田佳祐の歌う姿を中継する
という形で出演が実現する事となり、
今回の復帰となる2017年の出場は、
サザンの年越しライブ会場である
横浜アリーナからの中継となる。
桑田佳祐は自分が手掛けた主題歌が
番組で使われた事と、紅白歌合戦という
晴れの舞台で今年を締めくくる事が
出来る事に感謝のコメントを
寄せている。
2017年8月24日にNHKで
「SONGSスペシャル」出演時に
桑田佳祐と合唱した「ひよっこ」の
ヒロイン、有村架純が「何かあったら
いいなと思う」とコメントしたが、
それは桑田佳祐の紅白歌合戦への復帰
出場という形で現実になったのだ。
この日の同番組は桑田佳祐が出演して
いたが、「ひよっこ」主題歌を彼が
歌った時には、出演者がコーラスに
加わるという一幕があり、
会場は「ひよっこ」一色に染まった。
彼が2017年に紅白歌合戦復帰出場の
鍵となったのは、
「感謝」に他ならない。
その桑田佳祐が紅白歌合戦で歌う歌は
「ひよっこ」の主題歌、
「若い広場」である。
まとめ
紅白歌合戦にサザンオールスターズの
一員として出場を果たした桑田佳祐は、
悪ノリとも取れるアレンジで
バッシングを受けた。
この事件で彼はNHKから距離を置いたが
国民的番組特有の事情は制作側にも
足かせになっていたに違いない。
その当事者であった桑田佳祐が2017年の
紅白歌合戦に復帰するという事実は、
アーティストとしてのプライドから
解放されたからというよりも、
彼自身に感謝の気持ちが
あったからなのだろう。
参考サイト
//www.news-postseven.com/archives/20161223_477808.html
//tacademy.jp/2017/12/22/post-5466/
//www.tvlife.jp/entame/134648
