韓国側の日韓合意の新方針は到底
受け入れられないとして、韓国訪問を
行わない方針であった安倍首相が、
一転して訪韓する姿勢を明らかにした。
その理由は平昌五輪開会式で日本人選手
を激励するのみならず、文在寅政権への
日韓合意に関する不変の姿勢を伝える
為である。
しかし文在寅側も国内の怒りの声と
外交との間で、板挟みになっているのが
現状である。
安倍首相が平昌五輪開会式以外に韓国を訪問する理由は?
2018年2月9日に、韓国の平昌における
平昌五輪開会式を欠席する意向を
見せていた安倍首相であったが、
1月23日に出席する意向を示した。
この安倍首相の韓国訪問が実現した理由
は、一同合意に達した慰安婦問題を含む
日韓合意に関する新方針として
康京和外相が示した、日本側の拠出金と
同じ金額を韓国が用意し、その用途を
日韓で競技するという内容を受け入れる
事は出来ない事を直接伝える為である事
と北朝鮮に対しての圧力を続ける事の
確認の為である。
この韓国訪問については、首相官邸や
外務省、安倍首相の支持者の間では
韓国が日韓合意をないがしろにされた
事が理由で前向きでは無い意見が
多かったが、安部首相は政権を担って
いる責任があるという理由で、
敢えて韓国訪問を決断したのである。
しかしそれと五輪の問題とはあくまでも
別の問題であり、安倍首相は平昌五輪
開会式を訪問し日本人選手を激励したい
と述べており、2020年に東京で五輪を
開催する国の指導者として、安倍首相が
平昌五輪開会式に参加する理由は
十分にある。
平昌五輪開会式に出席する祝祭ムードと
裏腹に、安倍首相も苦々しい気持ちで
日韓合意の新方針を突っぱねなければ
ならないという状況は、一国家同士の
外交と考える事は難しい。
わざわざ安倍首相が日韓合意の不変性を
説明する為に韓国訪問を決断した事に
なった理由は、文在寅政権の国内の声と
北朝鮮との間と日本の間でバランスを
取ろうとしている姿勢にある。
この実情は、文在寅大統領も
平昌五輪開会式以上に気にかかる
事とも思われる。
国内の声にも北朝鮮にも反感を買いたくない韓国!日韓合意の件での安倍首相の怒りの本質は?
安倍首相が平昌五輪開会式に出席しない
理由は、文在寅大統領が北朝鮮との
関係を改善を進めている一方で、
日本との関係を悪化を避けたいという、
日本側も怒りを隠せない程の
どっちつかずの姿勢を取っている事で
あったが、安倍首相は失敗した際に
不評の声が上がる事を承知で、
敢えて日韓合意の不変性を伝える為に
訪問の意を示した。
しかも韓国国内では、日韓合意の上で
解決した慰安婦問題についてまだ不服と
する人もいるのだ。
しかしそれでも訪韓を決めた、
この安倍首相の姿勢は、太平洋戦争の
開戦当時、日本陸軍がシンガポール攻略
した際に「マレーの虎」と呼ばれた
山下 奉文(やました ともゆき)大将
がイギリス側に降伏を迫った際の
やや強硬に見えながら毅然とした姿勢に
似ている部分がある。
当時のイギリス軍の代表が山下大将に
気圧されてしどろもどろになった事と
通訳の説明が分かりにくかった事が
山下大将の怒りに触れ、後に伝えられた
降伏に対する「イエスかノーか」の
答えを山下大将が周囲に強要した事で、
山下大将がイギリス軍に強く出て
シンガポールが陥落したとの誤報が
独り歩きした程の勇み足があったにせよ
日本陸軍の大将としての威厳を示した。
安倍首相もまた、国内の反対勢力の顔色
をうかがって日韓合意の新方針を
持ち出し、北朝鮮との関係を改善しよう
とする韓国の姿勢に怒りを覚えて訪韓を
見送ったが、今回は北朝鮮への強硬姿勢
を続ける事の合意と日韓合意の新方針の
却下に失敗すれば批判が起こる事を
覚悟しての訪韓、つまり「勇み足」に
なる事を覚悟しての訪問を行うのだ。
日本の外交の拙さが長い間批判されて
来た中で、慰安婦問題を含めた
日韓合意を取り付けて進歩を見せたにも
関わらず、今度は国内にも北朝鮮にも
おもねっている韓国に怒りを抑えて
見解を伝えなければならない安倍首相は
明治から戦前まで続いた、一面で相手に
配慮した「おせっかい外交」をする
必要性を感じたとも考えられる。
日本側から見れば日韓合意をないがしろ
にされたという気持ちはあるにせよ、
韓国国内の怒りと北朝鮮との関係の
板挟みに悩む文在寅大統領に対して、
怒りよりも同情を覚える人も
多いだろう。
まとめ
正に急転直下で安倍首相の韓国訪問が
決定したが、その理由は日韓合意の堅持
と北朝鮮と距離を取る事を韓国側に
「言って聞かせる」という、怒りで
平昌五輪開会式どころでは無いだろうと
思えるレベルの物である。
それでもわざわざ訪問する、という
行動は昔の日本の外交や植民地政策に
あった「おせっかい外交」の思想が
安倍首相にもあったのだろう。
失敗すれば批判は避けられない、
正に「虎の尾を踏む」行為も辞さない
程なのだから。
参考サイト
//news.livedoor.com/article/detail/14200203/
//www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/884533/
//www.sankei.com/politics/news/180124/plt1801240004-n1.html