現在の日本には最低でも1万の無戸籍児
がいると言われている。
無戸籍児とはその名の通り出生届が提出
されていないという理由で、戸籍の取得
がされていない子供のことを指し、
学校への通学や住民票、健康保険等の
問題が生じてしまう。
この無戸籍児の問題の解決を政府や
自治体は図っているが、その対応は
遅くまだまだ根強く残っている。
無戸籍児が戸籍取得をする方法もあるが
かなり複雑な方法のようだ。
無戸籍児が発生する理由は??
学校と住民票と健康保険に問題!?
法的制度が整った現在の日本でも、
戸籍を持たない無戸籍児という
存在は確かに現実に実在している。
推定では1万人、毎年では約500人も
無戸籍児が誕生しているという意見も
あるほどだ。
そんな無戸籍児が出てしまうのは一体
どのような理由からなのか?
また、無戸籍児は学校の就学が出来ない
住民票の獲得が難しくなる、健康保険に
加入できない等の問題もある。
住民票や健康保険に関しても問題だが、
学校に通えないとは、親の責任として
どんな理由も通らない所だろう。
そんな無戸籍児の概要から整理して
みよう。
無戸籍児が出てしまう理由、それは
出生届が提出されていなく、戸籍を
獲得していないからである。
では、出生届が提出されない理由とは
どんな理由なのか?
それは民法の772条にある。
簡単に言うと、母親となる女性が前の
夫と離婚をして300日以内に産んだ子供
は、例え前の夫と遺伝子関係のない子供
でもその子供は法律上前の夫の子供
として認知する法律である。
これを世間では「300日問題」と言う。
したがって、離婚から300日以内に
生まれた子供を前の夫の子供と
しなければならないため、出生届の
提出を渋る母親がどうして出てきて
しまう。
それが無戸籍児が誕生してしまう理由
なのだ。
前の夫の暴力等から逃げるように
離婚をした母親からすれば、前の夫
と一生関わりたくないと思うのは
当然だ。
側から見れば、遺伝子関係の繋がりを
見れば前の夫と無関係だと証明できる
訳で、現夫の子供と認めていいのでは
ないか?と思えてならない。
まるで離婚をしてすぐ子供を産むなんて
不届き千万と言わんばかりの法律に
思えてならない。
それに今の時代から考えると、離婚の
意味合いや重大さの捉え方や感じ方は
昔とはだいぶ異なるので、どうしても
この「300日問題」という問題は、
時代錯誤が生んだ遺産にしか思えてなら
ないのだ。。
そんな無戸籍児だが人生の様々な面で
弊害を受けてしまう。
まず小学校に通えないという事。
国民の3大義務の一つである、
学校教育を受けることが出来ないのだ。
学校に通うというのは当たり前の事で
あり、学校で学び、同級生の友達を作り
社会性を身につけていく。
そんな子供の教育の絶対的な場所である
学校に通えないというあまりに大きな
問題が無戸籍児に生じてしまう。
次に、住民票の問題である。
出生届を出さず無戸籍児のままにして
おけば、住民票は発行されないままで
ある。
しかし、この住民票の管轄は各自治体で
あり、その自治体の役所に必要書類等
を持っていけば住民票の問題はクリア
できるようだ。
実態はわからないものの、住民票の獲得
は比較的に容易に思え、無戸籍児でも
住民票は持っている割合も多いのだろ
うか?
最後に健康保険の問題である。
当然のことながら、戸籍がなければ
健康保険に加入することができない。
したがって、無戸籍児は健康保険が
なく、大きな病気にかかっても、
健康保険ないので診察もまともに
受けることができないのだ。
健康保険がないというのはかなり
しんどいとしてか思えてならない。
健康保険という存在があるから、
万が一病気になっても安心では
あると通常は思うが、
その肝心の健康保険がないとなると
不安でしかないだろう。
無戸籍児が戸籍取得をする方法は?
ここまで無戸籍児が誕生する理由や
それによる発生する問題等を見てきた。
では、この無戸籍児が戸籍取得をする
方法について見ていこう。
まず、現夫がその子供の父親だと法的に
認めさせ、戸籍取得する方法がある。
それが認知調停という手段である。
法律の建前上、母親が原告、現夫が被告
という形で調停をし、裁判所がその子供
が現夫の子供だと判断すれば、
その無戸籍児が戸籍を取得できるという
方法だ。
また、元夫を父親だと認め戸籍取得する
方法もあるようだ。
この場合、法務局で母子関係の証明をして
その後、元夫を父親だとする手続きを経て
戸籍取得する方法だ。
また、「就籍届」を出し様々な手続きを
経て、戸籍取得する方法もあるようだ。
この場合、家庭裁判所に申し立て、
役所に「就籍届」を提出し、
新たに戸籍取得をする方法だ。
いずれにせよ、現状無戸籍児でも
母親が子供に戸籍取得するために
行動をすれば、この無戸籍児という
問題は解決ができるという事。
子供の将来を考え、無戸籍児のまま
放置しておくのではなく、
戸籍取得の方法をあれこれ模索する
ことが大事だということだ。
<参考>
//www.magazine9.jp/article/konohito/16126/
//gyousyo01.sub.jp/02syuuseki-001.htm
//toyokeizai.net/articles/-/107629
他